最近ネットでビジネス系の情報を収集していると時々見かける、
マインドマップ
という言葉。
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聞いたことがあるようで、無いような言葉。
厚手のコートの上から背中をかくような、なんとも言えないもにょもにょした感じ。
何のことなのかと思って画像を見てみると、妙にカラフルな樹のような絵が。
枝の一本一本に一つずつ言葉が書いてあって、中心から細くなりながら枝分かれしていき、文字もそれに沿って小さくなっていく。
書いてある言葉には、どんな意味があるんだろう?
中心から外に向かって流れているように見えるから、そういう繋がりの言葉なんだろうけど…
そう思って中心から枝に沿って見ていっても、いまひとつ言葉同士の関係がピンと来ない。枝と枝の関係も、ちんぷんかんぷん。
これまた、もにょもにょした感じ。
ところが実は世の中ではこのマインドマップというものがかなり普及していて、特に何やらビジネス界隈の方々は、みんな信奉しているらしい。
パソコンでマインドマップを作るための専用のツールソフトが出ていたり、専門家としてセミナーを開催されている方などもいたりして、(私はつい先月くらいまで全く知りませんでしたが)ずいぶんとメジャーな存在であるようだ。
というわけで、このもにょもにょした感覚がなんとも気持ち悪いので、『マインドマップ』とは一体何なのか、今回しっかりと調べてみました。
マインドマップって、発想や思考のためのツールらしいけど…
マインドマップの言葉の意味
マインドマップはトニー・ブザン(Tony Buzan)が提唱した思考・発想法の一つ。頭の中で起こっていることを目に見えるようにした思考ツールのこと。(wikipediaより)
トニー・ブザンという人はイギリスの著述家で、このマインドマップは1960年代に提唱されたそうです。そして今ではなんと、トニー氏のこのマインドマップという呼び名が商標登録までされているとのこと。マインドマップという言葉を使って本を書いたり講演をしたりする時には、このトニー氏にお金を払わなければいけないということなのでしょうか?
マインドマップの作り方
具体的には、まずひとつのキーワードや絵(イメージ)を決めて紙の中央に書(描)き、そこから連想する言葉や関係する言葉を次々に周りに書いて、放射状に枝分かれさせていきます。
そしてその枝に書いた言葉から、さらに連想する言葉を書いて次々と外に向かって枝分かれさせていきます。
これを繰り返してどんどん考えを拡げていくことによって、中心となるキーワードの概念を分かりやすく表現すると同時に、図をつくる人の脳を刺激して、発想力を高めたり記憶力を良くしたりする効果があるとのこと。
なんでも脳のネットワークの構造とよく似ているので、理解や記憶がしやすいらしい。
…う~ん、なんとなくなるほど。
確かに、自由な発想で考えを拡げていくという意味では、面白い手法でしょうね。
実際に自分でマインドマップを作ってみたら、新しい発見や感動もたくさんありそうです。
特に、一人でなく多数の人が集まるプロジェクトなどでわいわい話し合いながら図を作っていったら、とても良い刺激になって新しいアイディアや方向性も生まれてきそうです。
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ただこのマインドマップというものは、他人に分かりやすく考えを伝えるのには向かないように思います。
取り敢えず私は、ネット上にあるマインドマップをいろいろ見て回って、明確に意味が理解できたと感じたものはひとつもありませんでした。
私の頭が悪いせいもあるかも知れないですが、それぞれの図にそれを書(描)いた人の感性や思考プロセスが強烈に反映されていて、それらにシンクロ(同期)できなかったのが原因なのでしょう。
いずれにしても、このマインドマップというツールは到底コミュニケーションに使えるものではありません。
なのになぜ、得意気にウェブサイトなどで公開する人が多いのでしょうか?
マインドマップ、12のルール
トニー・ブザン氏はマインドマップを作る際に従うべき12個のルールを定めていて、そのルールから外れているものはマインドマップと呼ばない、とまで仰っているそうです。
- 無地の紙を使う
- 用紙は横長で使う
- 用紙の中心から描く
- テーマはイメージで描く
- 1つのブランチ(※枝のこと)には1ワードだけ
- ワードは単語で書く
- ブランチは曲線で
- 強調する
- 関連づける
- 独自のスタイルで
- 創造的に
- 楽しむ!
楽しめとか独自のスタイルでとか言いながら、その一方で枝は曲線でなきゃダメだとか妙に細かいところにこだわって、従わなければマインドマップではない、などとはこれいかに?
それに、思考を整理する目的に、楽しむとか関係あるの?
…と、思われるでしょう。私もそう思いました。
マインドマップは、ノート術ではなかった!
しかしもう少し深くマインドマップについて調べ、その生まれた経緯などを知ることによって、真の姿が明らかになってきます。
マインドマップというものは、本当は単なる思考のためのツールではなかったのです。
脳科学や心理学などにも明るいトニー・ブザン氏は、マインドマップを通じて人々に
『メンタルリテラシー』
を高めることを勧めています。
メンタルリテラシーとは、人が学ぶ力、学んだことを活用していく力のことで、言ってみれば脳そのものの力です。
マインドマップを作ることの狙いは、思考ツールとして一つの言葉から自由な発想でアイディアを拡げていく、といったものだけではありません。
実はこれは、人間の能力開発の一方法として考えられたシステムだったのです。
そのために脳科学的、心理学的見地から最も効果のある方法として彼が行き着いた結論が上に書いた12のルールであり、マインドマップには人々のメンタルリテラシーを高める効果があると確信しているからこそ、彼はマインドマップに商品としての価値を見いだし、人々もまた彼の提唱するシステムを受け入れ、お金を掛けて学び、実践しているということなのです。
・・・・・
要は、世の中に数ある自己啓発プログラムの一種だったということですね。
これで、トニー・ブザン氏がマインドマップの細かい仕様にこだわる理由も理解できましたし、熱心なマインドマップ信者やマインドマップで生計を立てている専門の講師、マインドマップを作ることそれ自体を目的にしているような人、誰が見ても理解不能なマインドマップをウェブサイトに載せる人などがいることが、全て腑に落ちました。
…個人的にマインドマップの存在を知ったときに最初に感じた、もにょもにょした感覚の正体も。(苦笑)
まあ私個人は自分で高いお金を払って入れ込むことはありませんが、決して自己啓発や能力開発などに対して否定的ではないですし、そうと分かった以上は興味も出てきましたので、もう少し深く勉強して知ってみようかなと思っています。
手を動かさずただ考えているだけでは実際何も分かりませんし、気が向いたら、自分でも作ってみるかも知れません。
もしマインドマップを書(描)く機会が訪れたら、またここで続報をレポートしてみますね。