グーグル
来年(2018年)から、Googleが自社開発のブラウザChromeに広告ブロックの機能を搭載させるという驚きの情報は少し前から出ていましたが、詳細が明らかになってきました。

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私は最初にこのニュースを聞いたとき、

『広告で収益を出しているはずのGoogleが自分の作っているブラウザで広告をブロックするって、どういうこと?もしかして、広告倫理委員会とかの圧力に負けた?!』

…などと思いましたが、情報をよく見てみるとむしろ逆で、

Googleの今後のビジネスに良くない影響を及ぼしそうな、問題のある広告

を、広告を改善していく側の立場に立って、率先して排除しようというのが目的のようです。
また、これによってGoogle社の立場の優位を保ち、良いイメージをアピールするという狙いもあるようですね。

なるほどこれなら、納得です。

『問題のある広告』とは

欧米の企業などを中心に構成された、ネット広告の技術的な標準規格策定・動向調査・法整備などを行う『Interactive Advertising Bureau』という組織があるのですが(GoogleのほかFacebook、twitter、マイクロソフトなども加入しています)、この組織などが参加する

『Coalition for Better Ads(より良い広告のための連合)』

のウェブサイト上で公開されている、消費者が受け入れ可能な限界を超えているとする4種類のPC(デスクトップ)向け広告と、8種類のモバイル向け広告のことです。

具体的には、

PC(デスクトップ)広告

  • ポップアップ広告
  • 自動再生される音声つきの動画広告
  • 一定時間が経過しないと、本来のページが見られなくなる広告
  • 大きなスティッキー広告(画面の一部に固定される広告)

モバイル広告

  • ポップアップ広告
  • 最初にページ全体を覆ってしまい、タップしないと本来のページが見られない広告
  • 画面の30%以上を覆ってしまうような記事内広告
  • 点滅するアニメーション広告
  • 自動再生される音声つきの動画広告
  • 一定時間が経過しないと、本来のページが見られなくなる広告
  • ページをスクロールさせると出現し、画面全体を覆ってしまう広告
  • 大きなスティッキー広告(画面の一部に固定される広告)

…といったものです。

確かに、これらには実際に不愉快な思いをさせられたことがありますね。^^;
こうした広告が無くなるというのなら、はっきり言って大歓迎です。(笑)

Google自身、アドセンスなどの広告設置者には厳しい基準を設けていて、上記にもあるような、画面の一定以上の面積を占めるような設置の仕方は避けるように、とも言っています。
ブロガーの方なら、よくご存じのところですね。

広告業者であるからこそ、日々ユーザーの気持ちを不快にさせないことに、何よりも注意を払っているのでしょう。

いずれにしてもこれまでも、ネットの検索環境、コンテンツ環境を改善するべくパンダアップデート、ペンギンアップデートなどの大胆な改革(荒療治?)を敢行してきたGoogleのことです。

今回もまた、歴史に残る『英断』の一つになるのは間違いないような気がします。

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広告排除の流れは、アフィリエイターに不利になるのか?

では、こうした広告を排除しようとするような流れは、インターネット広告でビジネスをするアフィリエイターなどにとって、不利になるのでしょうか。

恐らくそうなることはなく、むしろ良い方向に向かうのでは、と私個人は楽観視しています。

Googleの力が巨大になりすぎていささか怖いものもありますが、今のところ彼らは利益を得ながらも高潔な理想を掲げ、人々にとってインターネットがより使いやすく便利になるよう、情報媒体としてレベルが高く有意義なものになっていくように、力を尽くしています。

もちろんそれが、彼ら自身にとっての利益にもなるからですけどね。

彼らが質の良くないネット広告を排除するというのであれば、それによって広告環境は良くなり、真っ当な広告(という言い方もおかしいですが)が広まっていくことになるのではないでしょうか。

検索エンジンのアップデートと共に、スパムサイトなどの質の低いコンテンツがネット上から駆逐されてきているのと同じように。

検索エンジン
Google自身がインターネット広告を中心にビジネスを行っている以上、自分で自分の首を絞めるような真似をするはずがありません。
広告ブロックが実装されたところで、自分たちの広告(アドセンスなど)までブロックはしないでしょう。(苦笑)

むしろ自分たちの広告に関しては、人々に不快な感覚を抱かせないような、より狡猾な仕様に変えてくると思われます。(アドワーズなどは、もう既に充分狡猾ですけどね。)

そしてまたASPなども当然Googleの作っていく流れに乗り、その結果、インターネット広告というものに対する一般的なイメージも改善し、より広く公正で快適な広告環境が作られていくのではないか、と予想するのです。

…ちょっと虫が良すぎるでしょうか。(笑)

Googleの力は、ますます大きくなる

かつて、パソコン通信から移行したばかりの頃のインターネット黎明期は、明確な規制もなく利用者のモラルも低くやりたい放題、その結果一般のイメージもアングラでマニアック、取っつきにくくダークな世界、といった感じでした。

それが今では環境や規制も整ってきて、ユーザーの倫理意識も根付き、人々の生活に欠かせない情報メディアにまで成長していますが、はっきり言ってここ20年ほどのネットの成長の歴史は、Googleの存在と貢献を抜きにしては語れないものだと思います。

創業からまもなく20年を迎えますが、彼らの力は衰えるどころか、ますます強大になるばかりです。

それは、彼らが姑息で独善的な目先の商売をせず、儲けながらも世界の理想の未来を見据え、一貫してそのビジョンを実現するべく歩み続けているからだと思います。

いろいろ怖いですし不安な気もしますが、彼らが力を失う理由は今のところ見当たりません。
なぜなら彼らは(口惜しいことに)、神様のご加護を受けざるを得ないような、隙の無い行動をとっている気がするからです。

そしてこういう状況である以上、インターネット広告環境の未来もまた、良かれ悪しかれ、彼らが先導していくことになると思われるのです。

ネットワーク

今は彼らに共鳴し、共生していくことが、この厳しい時代、厳しい世界で生き抜いていくための当面の最良の手段だと思います。

私たち発信者も、これまで以上に情報に対するアンテナの感度を上げ、さらにより良いコンテンツを作っていけるよう、Googleの目指すところを先取りするくらいの気持ちで、励みたいですね。