ゴム印を押す!
請求書・領収書を出すときなど、ゴム印を押す場面というのは普通によくありますね。でも、毎回確実にまっすぐ上手に押せるかというと、これがなかなかうまくいきません。わたし自身も、ハンコ押しにはいつも手を焼いていた一人です。
しかし今回、それ自体仕事でゴム印を美しく押さなければならない事態、すなわちゴム印を使ってデザインを完成させなければならないような事態になり、どうやったら完璧に押せるかを真剣に考える必要に迫られたのでした。

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普段ならIllustratorなどでちょろっと体裁を作ってレーザープリンタで印刷してしまえば済むのですが、今回は仕上がりの用紙サイズがSRA3をはるかに超えていてウチの事務所プリンタでは対応出来ず、その上納期も目前に迫っていたため、ゴム印以外に実用に足るアウトプット手段が無かったのです。

そして、どうすべきか思案しつつ辺りを見回して目に留まったのが、これでした。

f_guide

この木製の奇妙な形の物体が一体何なのかというと、昔わたしがどこぞに旅行したときにホテルで見つけて暇つぶしに買った、パズル『The-F』のパーツのひとつなのです。


NOB PUZZLE The-F [パズル ジ・エフ]

the_f似たような木でできたパズル『The-T』を知っている方は、結構いらっしゃるかも知れません。この『The-F』は、その姉妹品です。最近では他にも、十字架型の『Cross』などをはじめ、ユニークな形のものがたくさん出ているようです。

ちなみにウチには、TとFの両方があったりします。これ、頭の体操になってなかなか楽しいんですよね。わりと単純なパズルなので完全に答えを覚えてしまうと遊べなくなりますが、その後はちょっとオシャレなインテリアとしてさりげなく置いておくことも出来て、お客様や友達などとの話題づくりにもなるし、なかなかグッドなアイテムです。

で、この『The-F』のパーツをゴム印のガイドとして使ってみたところ、これがなんと実に素晴らしい使い心地なのです!!

もともとパズルなので定規並みに精密に作られており、厚さもちょうど良い具合。
そして何と言っても素晴らしいのが、各辺の適度な長さと斜め45度の角度。これが、ガイドとして使うときに絶妙に手にフィットするのです。
L字凹みの両側の長さが異なっていて、置き方によって縦型印横型印のどちらに対しても最適なガイドになるあたりもニクイです。

検索してみるとゴム印ガイドは専用の商品も売られているようなのですが、形や素材を見る限りこっちのほうが断然良いのでは??と思わせられるほどです。

 

● 具体的なやり方

hanko_1(1)紙面を定規で測り押したい中心の線を定め、定規でエンピツを使って薄く線(中心線)をひきます。

(2)次にハンコの幅の半分の長さだけその線から離れた位置に点を打ちます。

(3)パーツの凹角をその点に合わせつつ凹の長い辺がエンピツ線と出来るだけ平行になるように置き、手で押さえるなどしてその状態でしっかり固定してから、利き手でゴム印を持ち、角をこのパーツの凹みに合わせ、まっすぐ丁寧に押します。

(4)ゴム印の面が接地した状態で落ち着いたらガイドを取り除き、ゴム印を紙から丁寧に剥がします。

(5)その後、インキが完全に乾いたらエンピツの線を消して、完成!

スタンプインキのつけ方や押しこむ強さなどはさすがに自分で加減を調整するしかありませんが、こうしたガイドを使えば位置や角度を全く気にする必要がなく、また『The-F』のこのパーツの場合垂直辺にそこそこの長さ(要するに厚さ)があるので、ゴム印の垂直辺と平行になっているかを確認することで傾いて押してしまうのを防ぐこともでき、失敗の確率が激減します。
本番に挑む前に、要らない紙を使ってちょうど良いインキのつけ方や力の入れ具合などを二、三度テストしておけば、完璧です。

今回わたしは10枚ほどゴム印をまっすぐ綺麗に押す必要があったのですが、この方法を試したところ、なんと一枚も失敗せず10枚全部を完璧に仕上げることができました。用紙が結構値の張るものだったので、無駄も出なくてとても経済的でした(笑)

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この『The-F』、値段もそれなりにするのでゴム印ガイドのためだけに買うのはさすがに馬鹿らしいですが、とても精巧でよく出来ているパズルですし、ハンコガイド機能までついている玩具&インテリアと考えれば、高くはないと思います。
個人的には、いろんな意味でかなりオススメしたいアイテムです。

なお、『The-T』のほうにもハンコガイドとして使えそうな凹みつきのパーツがあります。ただ、Fのほうがハンコガイドとしてより使いやすい形をしているので、今回は『The-F』をフィーチャーさせていただきました。

・・・とは言えまあ、はっきり言って何もこの『The-F』のパーツでなくとも、要はこのように押す際にガイドになるものをどこかから見つけてきて上手に使いこなせればOK、なのですけどね。
たまたま今回わたしの周辺にあった中で使い勝手の一番良さげなものがこれだった、というだけのお話です。

ただこんな風に適度な大きさのL字型の正確な凹みを持ち、ゴム印を強く押しつけてもズレない程度の厚さと強度があり、なおかつ机の上で軽快に使えるような重量と気持ち良い触り心地まで兼ね備えたものとなると、実際意外と見つからないのではないかと思います。
大きくないものなので3Dプリンターなどで同じような形を再現して作るのも良いかも知れませんが、個人的にこのしっとりした木の感触がとても気に入っているので、もし作れるようなことになったとしてもわたし自身は乗り換えないでしょう(笑)

もし何か皆さまの周りでこっちの方がもっと良いよというものがありましたら、ぜひ教えてくださいね。